当社が売却相談を受けた会社のうち実際にM&Aに成功する会社は3割程度ですが、
売却に成功する会社とはどのような会社なのかをまとめてみました。
毎期安定した利益が出ていて財務内容も良好で、ある程度の規模のある会社

毎期安定した実質利益が出ていて、借入金も少なく自己資本比率の高い会社であれば売却に成功する可能性は高くなります。
中堅・中小のオーナー企業では、節税目的から役員報酬を多額に取ったり生命保険に入ったりして、見かけ上の利益を少なく計上している場合がありますが、M&Aの場合にはこれらに費用を利益とみなした実質利益が多いかどうかで判断します。
毎期売上・利益が伸びている会社の方が、安定的に利益が出ている会社よりも買い手企業からの評価は高くなり当然買収金額も高くなる傾向があります。
これとは逆に利益が出ていても、毎年売上・利益が減少している会社の場合には買収金額が低くなる傾向があります。
買収する会社からすれば借入金の無い会社が一番好ましいので多額の借入金のある会社も評価は低くなり、売却が成功する確率も低くなります。
M&Aでは規模の大小にかかわらず必要な手続きは変わりませんので、同じ時間と労力を使って会社を買収するのならば規模の大きな会社を買収したほうが、効率が良いためある程度の規模のある会社が好まれます。
買収されても従業員がやめることはなく、将来経営者様がいなくなっても業績に与える影響がない会社

会社を売却後、経営者様は引き継ぎのため一定期間(一般的に半年か1年程度)は会社に残りますが、その後はいなくなるのが普通ですのでそうなった場合に従業員に権限移譲ができていて業績に与える影響がない会社が好まれます。
同様に、買収されて新しい経営者が来たときに従業員がやめてしまっては、会社の価値は著しく毀損されますので、従業員全員の引き継ぎができなく売上や利益が減少するおそれのある場合には、買収する会社にとってその価値は著しく低くなり、買収を断念することもあります。
会社が公正に評価され希望売却価格が高すぎない会社

売却サイドはできるだけ高く売却しようとするし、買収サイドはできるだけ安く買収しようとするのは当然ですが、両者の開きが大きい場合にはM&Aが成立することはありません。
買収サイドと売却サイドの力関係を比べた場合に圧倒的に買収サイドが強いですから、価格が高いと判断すれば買収することはほとんどありません。
売却サイドとしては公正な評価額を算出してその値段で買ってくれる買収サイドを見つけるという作業が必要になります。
コンプライアンスに問題のない会社

最近ではM&Aにさいしてもコンプライアンスの重視が最優先されます。
マスコミからは従業員の労働条件の悪い会社はブラック企業のレッテルを張られます。
売却希望の会社がコンプライアンス上の問題を抱えていると、それだけて買収サイドとしては買収先の候補からははずしてきますので、コンプライアンスを重視することが重要です。