近年のビル管理業界の現状と動向

ビルメンテナンス、プロパティマネジメント、賃貸管理などは業歴が長く、経済の状況に左右され難いM&Aにおける人気業種の一つです。定期的な安定収益が見込まれるため経営計画が立て易いことが人気の理由です。
とりわけビルメンテナンスは収益が安定しており、市場規模からみて小規模事業者が圧倒的に多いため、不動産関連業界からの参入も多いのが特徴です。
大手企業は、グループとしてワンストップでビルオーナーに各種サービス提供を行うため、市場シェアを伸ばすため、M&Aを戦略的に用いております。
また、多くの事業者が業歴が長く小規模であるため、オーナー高齢化による承継問題が深刻化しており、M&Aによる解消が今後より活発化するものと思われます。
ビル管理業界の推移グラフ
※以下はジャンル別業界一覧から抜粋しました。
左記グラフはビル管理業界の業界規模の推移をグラフで表したものです。
ビル管理業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
平成25-26年のビル管理業界の業界規模(主要対象企業12社の売上高計)は7,268億円となっています。
賃料や空室率が上向くなど不動産市場の活況が需要を後押し
ビル管理業界の過去の推移を見ますと、平成18年から22年ごろまでは横ばい傾向にありましたが、平成23年以降は増加に転じています。
平成20年の金融危機を発端に不動産市場が低迷。都心オフィス、分譲マンションともに長引く低迷を記録しています。こうした影響を受け、平成22年ごろまでビル管理業界は伸び悩み状態となっていました。
一方、平成23年ごろから新築マンションの増加に伴い、管理戸数も増加。さらに、平成25年にはオフィス賃料や空室率が上向くなど不動産市場は活況を呈しています。また、中国では大型のオフィスビルや複合施設の受注も好調に増え、業績を拡大する要因となっています。
不動産市場と景気動向に左右されるビル管理業界
ビル管理業界の動向は、不動産市場と取引先の景気動向に左右されると言えます。
ビル管理業界はサービス面での差別化が図りにくく、人材集約型であるため人件費の占める割合が高いことが特色です。他社との差別化が図りにくい傾向にある業界は、景気が悪くなると価格競争が厳しくなり収益性の低下につながり、景気が良くなると収益が改善される傾向にあります。
また、サービスの対象であるビルは不動産であるため、やはり不動産市場の影響を受けます。近年、国内をはじめとした不動産市場が上向きに転じるなど、ビル管理業界にとってはプラス要因が期待されます。今後の不動産市場や国内の景気動向に注目が集まります。
ビル管理業界 シェア&ランキング(平成25-26年)
ビル管理業界の動向は、不動産市場と取引先の景気動向に左右されると言えます。
ビル管理業界はサービス面での差別化が図りにくく、人材集約型であるため人件費の占める割合が高いことが特色です。他社との差別化が図りにくい傾向にある業界は、景気が悪くなると価格競争が厳しくなり収益性の低下につながり、景気が良くなると収益が改善される傾向にあります。
また、サービスの対象であるビルは不動産であるため、やはり不動産市場の影響を受けます。近年、国内をはじめとした不動産市場が上向きに転じるなど、ビル管理業界にとってはプラス要因が期待されます。今後の不動産市場や国内の景気動向に注目が集まります。
ビル管理業界 売上高&シェアランキング TOP10
企業名 | 売上高(億円) | 売上高シェア※ | |
1 | イオンディライト | 2,572 | 35.4% |
---|---|---|---|
2 | 共立メンテナンス | 1,052 | 14.5% |
3 | 東急不動産HD(管理受託事業) | 893 | 12.3% |
4 | 日本管財 | 854 | 11.8% |
5 | 日本ハウズイング | 791 | 10.9% |
6 | ビケンテクノ | 284 | 3.9% |
7 | 東洋テック | 193 | 2.7% |
8 | 大成 | 183 | 2.5% |
9 | ハリマビステム | 173 | 2.4% |
10 | 丸誠 | 121 | 1.7% |
ビル管理会社の売上高ランキングを見ますと首位のイオンディライトが一歩リード。次いで、共立メンテナンス、東急不動産HDなどが高いシェアを誇っています。
前年に比べ売上高を大きく伸ばしたビル管理会社はランキング4位の日本管財で売上高前年比+13.9%の増加、5位の日本ハウズイングで売上高前年比+13.0%の増加、6位のビケンテクノで売上高前年比+10.1%の増加となっています。
※シェアとはビル管理業界規模(対象企業の売上高合計)に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでビル管理における各企業の占有率を知ることができます。