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卸売業界の現状と動向

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卸会社(商社)は、仕入先・販売先の取引先を短期間で獲得できることからM&Aが多く行われています。

業界としては、中間業者を省き生産者と直接取引する「中抜き」が進む傾向が強く、またインターネットを始めとする通信販売が急成長していることにも影響を受け、今後ますます卸会社の立場は厳しくなるものと思われます。

業歴が長い中小企業が多く存在する業界であり、多くの企業で後継者問題、経営問題を抱えているものと考えられています。

大手や勢いのある中規模事業者が、老舗卸会社の優良な顧客を承継することを目的としたM&Aが一層進むものと思われます。


卸売業界の推移グラフ

グラフ

※以下はジャンル別業界一覧から抜粋しました。

左記グラフは卸売業界の業界規模の推移をグラフで表したものです。

卸売業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。

平成25-26年の卸売業界の業界規模(主要対象企業339社の売上高計)は88兆1,642億円となっています。

 


総合商社、専門商社ともに増加へ 一方、主軸事業の転換や再編など動きも加速

卸売業界の過去の推移を見ますと、平成17年から平成19年にかけては増加傾向。平成19年から平成21年には減少に転じましたが、平成21年から25年にかけて再び増加に転じています。

卸売業界に属している企業は主に総合商社、専門商社に分類されます。平成25年の卸売業界は総合商社、専門商社ともに増加となりました。

平成20年ごろまでの総合商社は世界的な資源価格の高騰の恩恵を受けて成長してきました。しかしながら、中国経済の減速などの影響で鉄鉱石、石炭などの資源価格が下落。資源への依存が高かった総合商社の収益を直撃しました。

平成25年には近年強化してきた食品や金融、機械などの非資源分野が業績をけん引。大幅な円安への加速も後押しし、総合商社は前年比プラス成長を記録しています。

一方、専門商社は東日本大震災の復興需要や景気対策への期待感などを背景に、国内経済は緩やかに回復へ。平成25年に入ると、機械、鉄鋼関連が好調に。業績もそれに伴い、専門商社は若干の増加を記録しています。

回復基調にある卸売業界ですが、依然として先行き不透明な状態が続いています。こうした動向を受け、大手卸売各社は様々な動きを見せています。

平成25年4月、伊藤忠商事は米国食品大手ドール・フード・カンパニーから世界展開している缶詰・果汁飲料事業とアジア青果物事業を買収。世界的に知名度の高い『ドール』ブランドを武器に食品事業の強化を進めます。

平成25年7月、丸紅は米国穀物大手ガビロンを買収。これにより丸紅の年間穀物取扱量は2500万トンから3300万トンに増え、世界2位の規模となります。

平成23年7月には、菱食、明治屋商事、サンエス、フードサービスネットワークの食品4社が経営統合し、三菱食品が発足。食品卸では初の売上高2兆円を超える巨大企業が誕生しました。

卸売業界 シェア&ランキング(平成25-26年)

卸売業界内における売上高及びシェアのランキングをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収をランキング形式でまとめております。

各々のランキングを比較することで卸売市場内のシェアや現状、動向を知ることができます。

卸売業界 売上高&シェアランキング TOP10

企業名 売上高(億円) 売上高シェア
1 豊田通商 7兆7,432 8.8%
2 三菱商事 7兆6,351 8.7%
3 丸紅 7兆0,557 8.0%
4 三井物産 5兆7,319 6.5%
5 伊藤忠商事 5兆5,875 6.3%
6 住友商事 3兆3,174 3.8%
7 メディパルホールディングス 2兆9,477 3.3%
8 アルフレッサホールディングス 2兆5,045 2.8%
9 三菱食品 2兆3,882 2.7%
10 スズケン 1兆9,882 2.3%

前年に比べ売上高を大きく伸ばした卸売会社は、丸紅で売上高前年比+44.1%の増加、三菱商事で売上高前年比+27.0%の増加、豊田通商で売上高前年比+22.8%の増加となっています。

シェアとは卸売業界規模(対象企業の売上高合計)に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで卸売市場における各企業の占有率を知ることができます。


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