IT・ソフトウェア業界のM＆Aについて、特に買収ニーズが多い業種は、「システム開発」、「人材派遣」、「スマートフォン向け開発、ゲーム製作」が挙げられます。

IT業界で特に買収ニーズが多い業種は、「システム開発」、「人材派遣」、「スマートフォン向け開発、ゲーム製作」です。

とりわけスマートフォン向け開発のニーズが多いのは、近年のスマートフォンの急速な浸透率に比例し、開発スピードの短縮等を始めとした開発競争が激化しており、人材が不足していることが理由です。

またこの業界は、他業界と比較し新しい業界であるため売却オーナーが若いことも特色の一つです。

そのため、他業界ではオーナー高齢による事業承継が売却理由として多い傾向にありますが、IT業界の若いオーナーは次の起業に向け、M＆Aによる売却を選択されることが多いのが特色です。

IT業界の過去の推移を見ますと、平成17年から20年にかけて増加傾向。平成21年には減少に転じましたが、平成22年から25年にかけて再び増加に転じています。

近年の国内景気は円安基調、アベノミクスの効果もあり回復傾向に。リーマンショックや東日本大震災、景気の低迷などで長らくIT投資を先送りしていた企業が、再び投資を再開する動きが見え始めました。

こうした動向を受け、IT業界の業績も回復基調に。近年は微増ではありますが、増加傾向に転じています。

国内のIT業界の勢力図を見ますと首位はNTTデータ。業界内で唯一の売上高1兆円を誇り2位の大塚商会にも大きな差をつけています。

また、新日鉄、NEC、伊藤忠など大手企業の子会社として活躍するIT会社が多いのもこの業界の特徴。大手企業の資本を背景に首位のNTTデータの座を狙います。

将来的な国内のIT需要は頭打ちとなる試算。こうした動向を受け大手各社は海外への進出を模索しています。

業界首位のNTTデータは中南米企業の買収を積極展開。富士通もオーストラリアの会社を買収。また、近年ではアジア諸国でのITサービスへの需要が高く、市場規模の拡大を見越した提携も目立ってきています。

また近年の動向としましては、データをインターネット上で管理するクラウドコンピューティング(クラウド)や大量のデータを分析して傾向を把握するビッグデータの活用などに注目が集まっています。

クラウドは企業側にとってはコストが安く、非常に便利なツールですが、IT企業サイドから見れば、システム構築の依頼の減少、単価の下落などデメリットを生む要因にもなります。しかしながら、クラウドは安価で利便性の高いツールですので、今後も更なる普及が予想されます。

また、ビッグデータは購買履歴や口コミ、顧客情報、POSデータなどに代表され、企業のマーケティングや商品開発、新規事業の発掘などに生かされます。ビッグデータの活用には関心を集める企業も多い一方、専門家の数が圧倒的に不足しており、これに伴うITサービスの需要も今後増えると予想されます。

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